香川県で産業廃棄物収集運搬業を始めたいとお考えの方へ。本記事では、許可取得の条件、手続きの流れ、必要書類、注意点、そして許可取得後に必要な対応について、香川県の制度に基づいて詳しく解説します。建設業や解体業を営む事業者の方には特に関わりの深い許可ですので、ぜひ最後までご確認ください。
第1章|産業廃棄物収集運搬業とは?
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち法令で定められた廃棄物を指し、建設現場から出るがれき類、汚泥、廃プラスチック類などが代表例です。これらを事業者に代わって回収・運搬する業務が「産業廃棄物収集運搬業」です。
なお「積替え保管」とは、一時的に別の場所に廃棄物を保管しておくことを指し、通常の運搬のみと比べて別途の許可と構造要件が求められます。
第2章|香川県で許可が必要なケース
香川県で産廃収集運搬業を行うには、基本的に「香川県知事の許可」が必要です。ただし、運搬先・積替え保管の有無により、以下のように管轄が分かれます。
ケース | 必要な許可 |
---|---|
香川県内(高松市以外)で運搬 | 香川県知事 |
高松市内のみで運搬 | 高松市長 |
高松市内で積替え保管 | 高松市長(+香川県知事) |
香川県外との行き来 | 各都道府県知事の許可 |
香川県外に本店がある場合でも、県内で運搬を行う際は香川県知事の許可が必要です。
参照:香川県「産業廃棄物収集運搬業の手引き」 https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/753/syuuuntebiki.pdf
第3章|許可取得のための条件(要件)
香川県で許可を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 法人または個人事業主であること
- 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習会を修了していること
- 使用する運搬車両を保有または賃貸していること
- 積替え保管施設を設置する場合は、構造基準を満たしていること
- 欠格事由に該当しないこと(例:過去に法令違反がない等)
- 一定の資金力・経理的基礎を有していること
講習会の詳細は日本産業廃棄物処理振興センターの公式サイトをご参照ください。
第4章|許可取得までの流れ(香川県版)
- 事前相談:各保健福祉事務所で相談(無料)
- 事前協議書の提出:書類審査を受けます
- 本申請書の提出:香川県証紙で手数料納付
- 必要に応じて現地調査(特に積替え保管施設がある場合)
- 許可証の交付:通常1か月〜2か月程度
第5章|必要書類一覧(新規申請)
- 事業計画概要書(様式第6号の2)
- 運搬車両の車検証コピー(所有・使用者の確認)
- 積替え保管施設の構造図、面積、容量計算書(必要な場合)
- 講習修了証の写し
- 財務諸表(直近3年分)および納税証明書
- 定款、登記事項証明書(法人の場合)
- 住民票、身分証明書(個人・役員・株主など)
※香川県外の許可をすでに持っている場合、一部書類は省略可能です。
第6章|申請手数料
区分 | 手数料 |
新規許可(通常) | 81,000円 |
更新許可 | 73,000円 |
変更許可 | 71,000円 |
香川県証紙で納付。申請時に事務所窓口で購入可能です。
第7章|許可取得後の義務と注意点
許可を取得した後も、次のような義務があります。
- マニフェストの交付・保存(電子マニフェスト可)
- 帳簿の作成・保存(5年間)
- 積替え保管施設の表示義務(掲示板設置等)
- 変更届(代表者、住所、車両など)
- 事業実績報告書の提出(毎年)
- 更新申請(期限3ヶ月前から受付)
第8章|積替え保管をする場合の特別ルール
香川県では、積替え保管を行う場合、特に厳しい基準が設けられています。
- 地面は不浸透性(コンクリート等)
- 囲いの設置(強風・地震対応)
- 掲示板の設置(60cm×60cm以上、種類・容量・管理者名)
- 保管量の制限:搬出量の7倍以内
構造基準に合わないと、許可は下りません。設計段階から相談することを推奨します。
第9章|香川県でよくある申請ミスと対策
ミス例 | 対策 |
他県の許可があるからと香川県で申請しなかった | 各県ごとに許可が必要です |
講習修了証の有効期限切れ | 講習は5年ごとに再受講が必要です |
積替え保管施設を無許可で運用していた | 別途「積替え保管あり」の許可が必要 |
第10章|行政書士に依頼するメリット
- 複雑な書類作成を代行
- 管轄窓口との事前相談も同行可
- 誤記や不備による再提出リスクの軽減
- 更新・変更申請も継続してサポート
はじめての方や、早く確実に取得したい方は、専門家のサポートを活用するのが確実です。
まとめ|香川県で産廃業を始めるなら計画的に
産業廃棄物収集運搬業の許可は、スタートに過ぎません。許可取得後も法令順守や定期的な報告が求められ、特に香川県では構造要件や提出先の判断が複雑になりがちです。
行政書士として、申請から更新、変更届まで一貫して支援いたします。初回相談は無料です。許可取得に関するお悩みは、お気軽にお問い合わせください。