旅館業法|簡易宿所の定員の算定方法を行政書士が解説 ― 3.3㎡基準と浄化槽による人数制限に注意 ―

簡易宿所営業許可を取得する際、必ず問題になるのが
「何人まで宿泊させられるのか(定員)」 です。

この定員は、
・ベッドの数
・オーナーの希望
・建物の延床面積

だけで決められるものではありません。
旅館業法・施行規則および保健所の運用基準に基づいて、厳密に算定されます。

この記事では、

  • 簡易宿所の定員算定の基本ルール
  • 客室面積に「含まれる/含まれない」部分
  • 33㎡以上という基準の意味
  • 浄化槽によって定員が制限されるケース

を行政書士の視点で解説します。

目次

簡易宿所の定員算定の基本ルール

簡易宿所営業では、宿泊者1人あたりに必要な床面積は

1人あたり 3.3㎡以上

とされています。

つまり、定員は次の式で算定します。

客室の有効床面積 ÷ 3.3㎡ = 定員

※小数点以下は切り捨てとなるのが一般的です。

簡易宿所の客室面積は「33㎡以上」が原則

簡易宿所営業では、次の基準があります。

  • 客室の延床面積:33㎡以上
  • ただし、
    宿泊者数が10人未満(2人以上)の場合は、
    「3.3㎡ × 宿泊者数」で算定した面積以上で足ります。

  • 定員6人の場合
     3.3㎡ × 6人 = 19.8㎡以上

10人未満の小規模簡易宿所では、この特例が実務上よく使われます。

客室面積の算定方法|「内法」で測る点に注意

客室面積は、内法(うちのり)で算定します。

内法とは

  • 壁・柱などの内側で測定する方法

これは、建築図面で一般的に使われる
壁芯面積(壁の中心で測る)よりも狭くなるため、注意が必要です。

設計図だけを見て「足りている」と思っても、
内法で測ると不足するケースは非常に多いです。

客室面積に「含まれない部分」(重要)

定員算定に使う客室面積には、
次の部分は含まれません。

  • 押入れ
  • クローゼット
  • 床の間
  • 廊下
  • 階段

これらは「人が継続的に寝起きする空間ではない」と判断されます。

収納を多く取った間取りほど、
見た目より定員が少なくなる点に注意が必要です。

浴室・洗面所・便所はどう扱われる?

実務上の取扱いとして、

  • 寝室部分(A)
  • 浴室・洗面所・便所(B)

を合わせた部分が「客室面積」として算定されるケースもあります。

ただしこれは、
保健所の判断・図面構成・利用形態によって異なります。

「すべて自動的に含まれる」とは限らないため、
事前に保健所確認が必須です。

よくある勘違い|延床面積=定員ではない

「建物の延床面積が100㎡以上あるから、たくさん泊められる」

これは典型的な誤解です。

定員算定で見るのは、

  • 建物全体の延床面積
    ではなく
  • 宿泊者が使用する客室部分の面積

です。

たとえば、

  • 延床面積:120㎡
  • 客室として使える部分:30㎡

の場合、
30㎡ ÷ 3.3㎡ ≒ 9人 が上限になります。

注意点|浄化槽によっても定員が制限される

簡易宿所の定員は、
客室面積だけで決まるわけではありません。

もう一つ重要なのが、浄化槽の処理能力です。

浄化槽の人槽(処理対象人員)

  • 浄化槽には「〇人槽」という処理能力があります
  • この人槽数は、宿泊者数+管理人等を想定して設計されています

実務上のポイント

  • 客室面積上は10人OKでも
  • 浄化槽が7人槽であれば
    定員は7人以下に制限されることがあります

保健所の審査では、

  • 客室面積
  • 浄化槽の処理能力

両方を満たして初めて定員が確定します。


定員超過は旅館業法違反になる

算定された定員を超えて宿泊させると、

  • 旅館業法違反
  • 改善命令
  • 営業停止
  • 悪質な場合は許可取消

のリスクがあります。

また、事故・トラブル発生時には、
定員超過は極めて不利に扱われます。

まとめ|簡易宿所の定員は「面積+浄化槽」で決まる

簡易宿所営業の定員は、

  • 1人あたり 3.3㎡以上
  • 客室面積は 内法で算定
  • 押入れ・クローゼット・床の間・廊下・階段は含まれない
  • 浄化槽の人槽による上限もある

という複数の条件をクリアする必要があります。

「とりあえず申請してから考える」では遅く、
設計・改修前の段階での確認が極めて重要です。


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当事務所では、

  • 定員算定
  • 図面チェック
  • 浄化槽との整合性確認
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まで、まとめてサポートしています。

「この間取りで何人いける?」
という段階からでも大丈夫です。

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