スマホ一つで誰でも始められるネット販売。メルカリやヤフオク、Amazon、楽天市場、自社ECサイトなど、さまざまなプラットフォームが整備され、副業や独立開業の第一歩として挑戦する人も増えています。
しかし、ここで意外と知られていないのが「古物商許可」の存在です。
ネット販売といっても、扱う商品や販売の形態によっては、古物営業法に基づく「古物商許可」を取得しなければならないケースがあります。
「自宅の不要品を売るだけなのに必要なの?」
「新品をネットで仕入れて売る場合も許可がいるの?」
「副業で転売を始めたいけど、どこまでならセーフ?」
この記事では、ネット販売と古物商許可の関係について、行政書士の視点から分かりやすく解説します。中古品・新品・副業などのケースごとの判断基準、許可が必要な場合と不要な場合、そして無許可営業のリスクまで徹底的にまとめました。
ネット販売に古物商許可は必要か?
まず結論から言うと、ネット販売に古物商許可が必要かどうかは 「営利目的で中古品を扱うかどうか」 によって決まります。
- 自宅の不要品を売るだけ → 許可不要
- 営利目的で仕入れて販売する場合 → 許可が必要
古物営業法は「古物」を扱う取引を規制しています。古物とは「一度使用されたもの」「使用されていなくても使用のために取引されたもの」などを指します。つまり、新品であっても誰かが一度購入した時点で「古物」に該当する可能性があるのです。
したがって、自宅の洋服や本をメルカリに出すだけなら問題ありませんが、リサイクルショップやネット通販から仕入れて再販売する場合には、古物商許可が必要になるのです。
古物商許可が必要なネット販売のケース
では、具体的にどのようなネット販売に古物商許可が必要になるのでしょうか。典型的なケースを紹介します。
中古品を仕入れて販売する場合
- リサイクルショップやフリーマーケットで仕入れた商品をネット販売
- 古着、ブランド品、中古スマホなどを仕入れて再販売
これはまさに古物営業法の規制対象となり、古物商許可が必須です。
新品を仕入れても「古物」になる場合
- Amazonや量販店で仕入れた商品を転売
- 未使用品をオークションやフリマアプリで購入して販売
「新品だから古物じゃない」と思いがちですが、一度消費者の手に渡った時点で「古物」に該当する可能性があります。特にフリマやオークション経由での仕入れ品は「未使用品」であっても古物扱いとなります。
副業や事業として継続的に販売する場合
- 定期的に仕入れてネット販売を繰り返す
- 収益を目的として継続的に取引している
一度だけの処分ではなく、反復継続して行っている時点で「営利目的」とされます。副業であっても「ビジネス的に転売している」なら古物商許可が必要です。
古物商許可が不要なネット販売のケース
一方で、古物商許可を取らなくても安心してできるネット販売もあります。
- 自宅にある不要品を処分する(断捨離)
- 引っ越しに伴い不要になった家具や家電を販売する
- 自分で作ったハンドメイド作品を販売する
- 一度きりの単発的な不用品販売
要するに「生活の中で出た不要品の処分」や「自作物の販売」は営利目的ではないため、古物商許可は不要です。
ネット販売で古物商許可が必要になる「古物」とは?
古物営業法における「古物」は以下のように定義されています。
- 一度使用された物品
- 使用されていなくても使用を目的として取引された物品
- これらに手入れをして再販売するもの
この「古物」には、美術品、衣類、時計・宝飾品、自動車、二輪車、自転車、写真機、事務機器、家電製品、楽器、道具類、書籍、金券など13種類の区分があります。
ネット販売を行う際に、これらの区分に該当する商品を営利目的で取り扱うなら、古物商許可が必要になると理解しておきましょう。
無許可でネット販売をするとどうなる?
「小規模だしバレないのでは?」と思うかもしれませんが、無許可で古物営業を行うと重大なリスクがあります。
- 古物営業法違反として「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」
- 警察による摘発の可能性
- Amazonやメルカリなどプラットフォームからのアカウント停止や出品制限
特にブランド品やスマホの転売などは警察も重点的に取り締まっており、「副業だから大丈夫」と油断していると摘発対象になる可能性があります。
ネット販売で古物商許可を取得するメリット
古物商許可を取得することで得られるメリットは大きいです。
- 法律的に安心して事業を展開できる
- 顧客や取引先からの信頼性が向上する
- メルカリ、ヤフオク、Amazonなど主要なプラットフォームで安心して販売可能
- 自社ECや実店舗など販路を広げやすくなる
特に本格的に副業から事業化を目指すなら、古物商許可を取得しておくことでリスクを避け、堂々と販売できます。
古物商許可の取得方法(概要)
古物商許可は、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課に申請します。
必要書類
- 住民票(本籍地記載、マイナンバー省略)
- 身分証明書(市区町村役場で取得)
- 略歴書
- 誓約書
- 営業所の使用権限を証明する書類(賃貸契約書など)
- 申請書一式
手数料と期間
- 手数料:19,000円(収入証紙)
- 許可が下りるまでの目安:約40日
書類不備があると受理されなかったり、補正を求められたりします。そのため、行政書士に依頼してスムーズに手続きを進めるケースも増えています。
香川県で古物商許可を取得したい方へ|申請の流れと注意点をわかりやすく解説 | りつりん行政書士事務所|香川県高松市の建設業許可・民泊許可・古物商許可
ネット販売で古物商許可を取るべき人のチェックリスト
- 中古品を仕入れて販売しようとしている
- 新品でもフリマやオークションで仕入れて転売したい
- 中古ブランド品や古着、スマホなどを扱いたい
- 副業を事業レベルまで拡大したい
- 将来的に自社ECサイトや実店舗を運営したい
これらに当てはまる方は、早めに古物商許可の取得を検討することをおすすめします。
まとめ:ネット販売は古物商許可の有無で安心度が違う
ネット販売は手軽に始められる一方で、古物営業法の規制を無視して進めると大きなリスクがあります。
- 自宅の不要品販売 → 許可不要
- 仕入れて営利目的で販売 → 許可が必要
- 無許可営業は「懲役または罰金」のリスクあり
- 本格的にネット販売をするなら古物商許可を取得すべき
「ちょっとした副業だから大丈夫」と思っていても、繰り返し販売すれば営利目的とみなされます。安心してビジネスを続けたいなら、古物商許可を取得して堂々とネット販売を行うことが大切です。
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