古物商として事業を行う際、複数の営業所を設ける場合には、提出先や記載内容にいくつかの注意点があります。ここでは、古物商許可申請における営業所が複数あるケースについて詳しく解説します。
提出先は「主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会」
複数の営業所がある場合でも、申請先は「主たる営業所がある都道府県の公安委員会」のみです。
- 申請書類は、主たる営業所の所在地を管轄する**警察署(防犯係)**を経由して提出します。
- 他の営業所が別の都道府県にあっても、追加で許可を取る必要はありません。
✅ つまり、営業エリアが複数の都道府県にまたがっていても、申請は一か所でOKということになります。
申請書にはすべての営業所を記載することが必要
営業所が複数ある場合には、申請書の中にすべての営業所を漏れなく記載する必要があります。
【記載が必要な情報】
- 各営業所の所在地
- 各営業所の名称(店舗名など)
- 各営業所ごとの管理者情報(氏名・略歴など)
⚠ 1つでも記載漏れがあると、記載していない営業所での営業は無許可営業と見なされるリスクがあります。
管理者の配置が必要
それぞれの営業所には、古物営業法に定められた「営業所ごとの管理者」の設置が必要です。
- 管理者には一定の欠格事由がなく、過去5年間に刑罰を受けていないなどの条件があります。
- 略歴書や誓約書、身分証明書などの書類も営業所ごとに必要になります。
変更があった場合は必ず届出を
営業所の新設・移転・廃止があった場合には、所定の期間内に変更届出が必要です。
| 変更内容 | 届出の期限 | 届出の方法 |
|---|---|---|
| 営業所の所在地変更・新設・廃止 | 原則3日前まで(事前届出) | 管轄の警察署を経由して公安委員会へ提出 |
| 管理者の変更 | 変更後14日以内(事後届出) | 同上 |
📌 営業所を追加した場合に届出を忘れると無許可営業になる可能性があるため、必ず忘れずに届け出ましょう。
複数営業所の申請はプロに相談を
営業所が複数ある場合、申請書類が煩雑になりやすく、管理者ごとの書類も必要になるため、専門的な知識が求められます。
- 管轄警察署の確認
- 管理者の適格性判断
- 必要書類の収集・整理
こうした点で不安がある場合は、行政書士に相談することでスムーズに進めることが可能です。
まとめ:複数営業所でも許可は1件、ただし記載と管理は厳密に
- 古物商許可の提出先は「主たる営業所のある都道府県の公安委員会」
- 申請書にはすべての営業所の情報を記載
- 各営業所に管理者が必要
- 営業所の追加・廃止は変更届出を忘れずに
適切な届出と管理を行うことで、全国的な展開も可能です。許可取得後も、変更があるたびに確実に対応しましょう。

