IT導入補助金2025を活用するうえで、多くの方が最初につまずくのが、
- どんなITツールが対象になるのか
- うちのやりたいことは本当に補助対象なのか
- 「ホームページ制作」や「PC購入」は使えるのか
といった「対象・対象外の線引き」です。
第2回では、通常枠・インボイス枠を中心に、IT導入補助金2025で使えるツールの考え方(業務プロセス要件)と“よくあるNGパターン” を整理します。
IT導入補助金2025でいう「ITツール」とは何か
ITツール=ソフト+関連サービス(+一部ハード)
IT導入補助金でいう「ITツール」は、ざっくりいうと以下のセットです。
- ソフトウェア(パッケージ/クラウド)
- クラウド利用料(最大2年分)
- 導入支援・設定・研修・マニュアル作成などの役務
- 一部のハードウェア(PC・タブレット・レジ等/インボイス枠・複数社連携枠など)
ポイントは「業務プロセス」に紐づいているかどうか。
ここがこの記事のキモになります。
「業務プロセス要件」とは何か
業務プロセスの分類(ざっくりイメージ)
公募要領では、ITツールが対応する「業務プロセス」が次のように分類されています(一部抜粋・要約)。
- 顧客対応・販売支援(問い合わせ管理、予約、見積・受注など)
- 決済・債権債務・請求
- 供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営管理
- 業務固有プロセス(製造、建設、修理、サービス提供など)
- 業種固有プロセス(医療、介護、宿泊、運送など特定業種の業務)
- 汎用プロセス(RPA、自動化・集計・分析ツールなど)
通常枠では、この業務プロセスにいくつ対応しているか(1〜3/4以上)で補助額の上限が変わります。
- 1〜3プロセス → 5〜150万円未満
- 4プロセス以上 → 150〜450万円以下
単純な「ツール名」よりも、何の業務(プロセス)を効率化するか が重視される仕組みです。
通常枠で対象となりやすいITツールの具体例
顧客対応・販売支援系
- 予約・受付システム(美容室、整体、飲食店、クリニック等)
- CRM(顧客情報管理システム)
- 見積・受注管理システム
- メール配信・ステップ配信と連動した顧客管理ツール
ポイント
電話・紙・Excelでやっている業務を、
「一元管理+自動化」できるかどうか。
会計・財務・経営管理系
- クラウド会計ソフト
- 請求書発行・売掛管理システム
- 資金繰り管理・予算管理ツール
- 経営ダッシュボード(売上・利益・原価などの可視化)
インボイス制度対応の観点からも、会計周りのIT化は特に重視される領域です。
受発注・在庫・物流系
- 受発注管理システム(BtoB取引の注文・出荷管理)
- 在庫管理システム(倉庫・店舗・ネットショップ在庫の一元管理)
- 仕入管理・入出庫管理システム
- 配送管理・ルート管理ツール
手書き伝票やFAX、Excelを使っている場合、かなり強く補助対象になり得る分野です。
業務固有プロセス系
業種によってかなり内容が変わりますが、例として:
- 建設業:現場日報、原価管理、工程管理システム
- 製造業:生産管理、品質管理、トレーサビリティ管理
- 介護:記録システム、ケアプラン管理、加算算定支援
- 宿泊業:宿泊予約・部屋管理・清掃管理
「うちの業種なら何が該当する?」という視点で業務を分解していくのがコツです。
インボイス枠で対象となるITツールの考え方
インボイス枠(インボイス対応類型)では、
以下の3分野に対応したツールが対象になります。
- 会計
- 受発注
- 決済
インボイス対応類型の典型例
- インボイス対応のクラウド会計ソフト
- 請求書発行・管理システム(適格請求書対応)
- BtoBの受発注システム(取引データを電子でやり取り)
- 決済連携システム(カード決済、オンライン決済と連携)
ここでは、
- 50万円以下部分:補助率3/4(小規模は4/5)
- 50万円超〜350万円部分:補助率2/3
という補助率・上限が設定されており、
インボイス対応のための会計・請求・受発注のデジタル化を本気で進めたい事業者には非常に使いやすい枠です。
「ホームページ制作」はどこまで対象になるのか
原則:単なるHP制作は対象外
- 会社紹介のホームページ
- 店舗の基本情報だけを載せたサイト
- ブログ機能だけのサイト
- 既存サイトのデザインリニューアル
こういったケースは 通常枠でもインボイス枠でも原則対象外 です。
対象になりうる「Web系」のパターン
一方、次のような場合は「ITツールの一部」として対象に含まれる可能性があります。
- 予約システムと一体になったWebサイト
- 会員専用のマイページ機能を持つWebシステム
- EC機能(カート・決済・在庫管理)を備えたサイト
- BtoB向けの受発注ポータルサイト
ここでも重視されるのは「見た目」ではなく、
どの業務プロセスをシステム化・効率化しているのか という点です。
IT導入補助金2025で対象外になりやすいケース
デザイン・ブランディング寄りの制作
- ロゴ制作
- 写真撮影のみ
- LP(ランディングページ)単体制作(業務システムの裏付けがない場合)
- SNS運用代行のみ
これらは販促・ブランディングとして重要ではありますが、
IT導入補助金の「業務プロセス改善」という趣旨から外れやすい領域です。
ハードウェア単体の購入
- PCだけ買いたい
- タブレットだけ入れ替えたい
- レジを新しくしたいだけ
通常枠ではハード単体は対象外で、
インボイス枠・複数社連携枠などで 「インボイス対応ツールとセット」 になっている場合に限り、上限付きで補助対象になります。
既存ツールの保守・更新のみ
- 既存システムの軽微なバージョンアップ
- 保守契約のみの更新
- 同じシステムへの乗り換え(機能的に変化がない)
生産性向上や業務改善の効果が明確に説明できない場合、不採択になりやすい領域です。
審査で見られる「生産性向上」の考え方
「どんなツールか」だけでなく、
「導入によって何がどのくらい良くなるのか」 が非常に重要です。
数字で語れるかどうかがポイント
たとえば:
- 予約管理:手書き台帳 → システム化で、
→ 電話対応時間が月●時間削減
→ ダブルブッキングによるトラブル件数を●件削減 - 会計・請求:紙&手入力 → クラウド化で、
→ 月次締めにかかる時間が●時間 → ●時間へ
→ 請求漏れ防止で売上●%改善を目標
こうした具体的なビフォー/アフターのイメージが持てるかどうかで、
採択可能性は大きく変わります。
まとめ
- IT導入補助金2025で重視されるのは 「業務プロセス」
- 通常枠では、対応する業務プロセスの数で補助上限が変わる
- 会計・受発注・決済系は、インボイス枠で特に手厚く支援
- 単なるホームページ制作・デザイン変更は原則対象外
- 「Web+業務機能(予約・受発注・EC・CRM 等)」なら対象となりうる
- ハード単体・保守更新だけ・効果が曖昧な案件はNGになりやすい
- 「どの業務をどれだけ改善するか」を数字で説明できるかが鍵

