建設業許可を取った後に必要な「決算変更届」とは?
建設業許可を取得したあと、すべての業者が毎年提出しなければならないのが「決算変更届(事業年度終了報告書)」です。
建設業法第11条で定められた義務であり、提出を怠ると許可の更新や経営事項審査(経審)が受けられないという大きなリスクがあります。
許可を維持し続けるための必須手続きであり、法人・個人を問わず建設業許可業者全てが対象となります。
決算変更届の提出期限は事業年度終了後4か月以内
決算変更届の提出期限は「事業年度終了後4か月以内」と法律で定められています。
- 3月決算の会社 → 7月末までに提出
- 12月決算の会社 → 翌年4月末までに提出
期限を過ぎると「未提出」とみなされ、更新や経審で大きな支障が出ます。
特に経審を受けたい場合、過去3年分の提出が必須のため、1年でも欠けると大きなマイナスです。
建設業許可の決算変更届を提出する場所
提出先は「許可区分」によって異なります。
- 知事許可業者:本店所在地の都道府県知事(香川県なら県土整備課)
- 大臣許可業者:地方整備局
誤った窓口に提出すると受理されませんので要注意です。
建設業許可業者が決算変更届で提出すべき書類一覧
法人と個人では添付書類が異なります。
法人の場合
- 決算変更届出書
- 工事施工金額報告書
- 直前3年の工事施工金額調書
- 貸借対照表・損益計算書
- 株主資本等変動計算書・注記表
- 事業報告書(株式会社のみ)
- 納税証明書(必要な場合)
個人事業主の場合
- 決算変更届出書
- 工事施工金額報告書
- 直前3年の工事施工金額調書
- 損益計算書
- 確定申告書控え
工事金額調書は「元請・下請・業種別」に分けて正確に記載する必要があります。
決算変更届を提出しないと建設業許可が更新できない理由
建設業許可は5年ごとに更新が必要ですが、その際「過去の決算変更届を全て提出済み」でなければ申請が受理されません。
つまり、毎年の決算変更届を出していないと、最悪の場合許可が失効してしまいます。
また、公共工事に参加するために必須の経審も「決算変更届を提出していること」が大前提。
提出漏れがあると、そもそも経審の受付すらしてもらえません。
決算変更届提出で注意すべきポイント
決算書と数字を一致させること
税務署に提出した決算書と整合性が取れていないと補正を求められます。
工事金額の記載ミスに注意
元請・下請や業種別の区分を間違えると差し戻しの原因に。
提出期限を必ず守る
経審や更新の直前に慌てて準備しても間に合いません。カレンダーで期限管理することが重要です。
よくある質問:建設業許可と決算変更届
Q. 赤字決算でも決算変更届は提出が必要ですか?
A. 必要です。黒字・赤字に関係なく提出義務があります。
Q. 決算期を変更した場合はどうなりますか?
A. 決算期変更の届出を提出し、新しい年度の終了後4か月以内に決算変更届を出します。
Q. 電子申請はできますか?
A. 一部の自治体で導入が始まっていますが、香川県では紙提出が基本です。
行政書士に依頼して建設業許可の決算変更届をスムーズに提出する方法
決算変更届は毎年の義務ですが、実際に作成すると「工事金額の集計方法が分からない」「書類が揃わない」と悩む業者も多いです。
そこで行政書士に依頼するメリットは次のとおりです。
- 書類作成や工事金額調書の整合性を確認してもらえる
- 提出期限を確実に管理できる
- 経審や許可更新とあわせてトータルでサポートを受けられる
忙しい経営者にとって「決算変更届を丸ごと任せられる」のは大きな安心です。
まとめ:建設業許可を維持するためには決算変更届が必須
- 決算変更届は「建設業許可を持つ業者すべての義務」
- 提出期限は事業年度終了後4か月以内
- 提出漏れがあると「許可更新不可」「経審不可」という致命的リスク
- 法人と個人で提出書類は異なるが、決算書・工事金額調書は必須
- 専門家に依頼することでミスや提出漏れを防げる
建設業許可を取って終わりではなく、毎年の決算変更届提出がスタートラインです。