目次
はじめに
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者のキャリアや社会保険加入状況を見える化する仕組みです。
一方で、公共工事に参加するためには 経営事項審査(経審) が必要です。
この2つの制度は一見別々に見えますが、実は 「経審の加点対象」 として深くつながっています。
本記事では、CCUSと経審の関係性を整理し、入札で有利になるための実務ポイントを解説します。
1. 経営事項審査(経審)とは?
おさらいとして、経審は 公共工事の入札参加に必須の審査制度 です。
評価項目は大きく分けて以下の4つ。
- X点(技術力):技術者資格・工事成績
- Y点(財務状況):自己資本比率・利益率など
- Z点(社会性等):法令遵守、社会保険加入、防災協定、ISO認証 など
- W点(工事実績):完成工事高
👉 このうち Z点(社会性等) に、CCUSの取り組みが加点要素として評価されます。
2. CCUSが経審に与える影響
(1)社会性の評価(Z点)
- CCUSに登録し、技能者の就業履歴や社会保険加入を適正に管理していると、社会性の向上として評価されます。
- 特に「社会保険加入状況」はZ点の大きな評価項目であり、CCUSが証拠資料として活用可能です。
👉 CCUSを導入することでZ点を底上げできる のが最大のメリットです。
(2)技能者評価の補強(X点との関連)
- CCUSで技能者の資格・経験年数が蓄積されるため、技術職員数や能力を証明しやすくなる
- 将来的には、X点の評価にCCUSデータが直接活用される可能性もあります。
(3)公共工事入札での優遇
- 国土交通省は「CCUS活用を前提とした公共工事の入札」を段階的に広げています。
- すでに一部の自治体では「CCUS登録がないと入札参加不可」や「CCUS活用事業者を加点評価」する動きも。
👉 早めに導入した会社は、入札で有利になりやすい環境です。
3. 具体的な加点要素
加点が期待できる取り組み例
- 技能者のCCUS登録率が高い
- 社会保険未加入者がゼロ
- 技能者のレベル判定やキャリア管理をCCUSで実施
- 防災協定やISOとあわせて「社会性の強化」を進めている
👉 単に登録するだけでなく、活用度を高めることが加点につながります。
4. CCUSを活用した経審対策の流れ
- 事業者登録・技能者登録を完了
→ 自社と所属技能者をCCUSに登録 - 社会保険加入状況を整備
→ 未加入者をなくし、Z点マイナス要素を排除 - 施工実績・技能者データを蓄積
→ X点・Z点双方で評価材料に - 経審申請時にCCUS活用をアピール
→ 書類添付・証明で加点対象に
5. よくある質問Q&A
Q. CCUS登録だけでZ点が上がりますか?
A. 登録するだけでなく、社会保険加入や技能者管理を適切に行うことで加点につながります。
Q. 中小企業でも加点されますか?
A. はい。規模に関係なく「社会性の強化」として評価対象になります。
Q. CCUSに登録していないと経審は受けられない?
A. 現時点では受けられますが、将来的にはCCUS未導入だと不利になる可能性が高いです。
6. まとめ
- 経営事項審査(経審)の Z点(社会性等) に、CCUSの取り組みが加点対象として反映される
- 社会保険加入状況や技能者管理をCCUSで可視化することで、信頼性が向上
- 公共工事の入札では「CCUS導入企業が有利」という流れが進んでいる
- 単なる登録だけでなく、活用度を高めることが重要
👉 経審で点数を上げたいなら、CCUS導入は欠かせない戦略です。