【2025年最新版】一般建設業許可と特定建設業許可の違いを徹底解説~どちらを選ぶべき?判断基準と実務ポイントを事例付きで解説~

建設業の許可申請を考えたとき、必ず直面するのが「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の違いです。
「自分の会社はどちらを選ぶべきなの?」「許可ごとにどんな制限があるの?」と迷う方は少なくありません。

しかも、2025年(令和7年)2月1日から基準となる金額が引き上げられ、情報がさらに混乱しがちです。
本記事では、これから自分で建設業許可取得を目指す方に向けて、「一般」と「特定」の違い、最新基準、よくある勘違いと実務の注意点まで、徹底的にわかりやすく解説します。


目次

1. 「一般建設業」と「特定建設業」の違いとは?

まず知っておくべきは、この2つの許可の本質的な違いは「下請契約の規模」にあります。

● 許可区分は“元請”の下請契約総額で決まる

  • 元請業者として発注者から直接受注した工事1件について
    • **下請契約の合計金額が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)**になる場合→「特定建設業許可」が必要
    • それ未満の場合→「一般建設業許可」でOK

この区分は、工事の種類(29業種ごと)に対して適用されます。


▼【図解】許可の区分(2025年2月~最新基準)

工事の種類一般建設業許可の基準特定建設業許可の基準
建築一式工事8,000万円未満8,000万円以上
その他の建設工事5,000万円未満5,000万円以上

2. どんな時に「特定建設業許可」が必要?

  • 発注者から元請業者として直接受注
  • その工事を下請業者に発注(分離発注を含む)
  • 下請契約の合計金額が、上記基準額以上となる場合

例えば…

  • 建築一式工事を元請けし、下請契約の合計が9,000万円→特定建設業許可が必要
  • 電気工事を元請けし、下請契約の合計が5,200万円→特定建設業許可が必要

3. 「一般建設業許可」で足りるケース

  • 元請け工事の下請契約の合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)未満の場合
  • 請負工事を自社のみで直接施工する場合(下請契約なし)
  • 下請業者として仕事をする場合(※下請契約総額の制限はかからない)

例えば…

  • 元請けで3,500万円の建築一式工事を受注し、自社施工→一般建設業許可でOK
  • 元請けで1,500万円の土木工事+下請けに3,000万円発注(合計4,500万円)→一般建設業許可でOK

4. 【重要】請負金額と許可の種別は違う!

よくある勘違い

「発注者から1億円の工事を請け負ったら特定建設業許可が必要なのでは?」

違います!

  • 発注者から請け負う金額に制限はありません
  • ポイントは「下請けに出す金額の合計」が基準

1億円の工事でも自社施工なら一般建設業許可でOKです!


5. 2025年(令和7年)2月1日から基準額が引き上げ

  • 旧基準…建築一式7,000万円・その他4,500万円
  • 新基準…建築一式8,000万円・その他5,000万円

「最新の基準で許可区分を判断する」ことが重要です。


6. 実際のケースで違いをイメージしよう

ケース①:元請工事のほとんどを自社で施工

  • 元請工事金額9,000万円(建築一式)
  • 自社で施工、下請契約なし

一般建設業許可でOK


ケース②:元請工事を分離発注し、下請合計が基準以上

  • 元請工事金額1億円(建築一式)
  • A社に4,000万円、B社に4,500万円(下請合計8,500万円)

特定建設業許可が必要


ケース③:下請専業の場合

  • 発注者→元請け(A社)→下請け(B社=あなたの会社)
  • あなたの会社は下請けで3億円を受注

一般建設業許可でOK
(下請けに金額制限はない)


7. よくあるQ&A

Q. 一次下請け業者がさらに二次下請けに出す場合、制限は?
A. 「元請」→「一次下請」の契約合計が基準。一次下請が二次下請に出す場合、その金額に制限はありません。

Q. 特定建設業許可は元請けだけ必要?
A. はい。下請けには不要です。

Q. 許可の区分は工事ごと?業種ごと?
A. 許可は業種ごと。例えば、土木工事は一般、建築一式工事は特定という取得も可能です。

Q. 発注者から直接請け負った工事が大規模でも下請け合計が基準未満なら?
A. 一般建設業許可でOKです。


8. 特定建設業許可の取得要件(一般との違い)

特定建設業許可は財産要件が厳しいです。

  • 自己資本額:2,000万円以上
  • 欠損額:資本金の20%以下
  • 流動比率:75%以上

一般建設業許可は、これより緩やかです。


9. 制度の趣旨と実務ポイント

  • 特定建設業許可は、下請けへの支払いが多額になる元請会社の経営体力・支払い能力を担保するために設けられた仕組み
  • 制度趣旨を理解し、無理な許可取得を目指さず、事業規模・受注予定の案件に応じて適切な許可種別を選ぶことが重要です

10. 注意すべき最新ルールまとめ

  • 2025年2月1日から基準額UP!(8,000万円/5,000万円)
  • 許可の種別は「元請けとして下請契約を出す総額」で決まる
  • 下請け業者はこの制限を気にしなくてOK
  • 自社で施工する場合は一般建設業許可で十分
  • 業種ごとに「一般」「特定」の取得を分けられる

まとめ

一般建設業許可特定建設業許可の違いを正しく理解することは、建設業を安全かつ安定して運営するために欠かせません。
特に、これから自社で許可取得を目指す方は、

  • 「自分の事業に合った許可はどちらか?」
  • 「今後の事業拡大に対応できる許可種別か?」

をしっかりと見極めることが大切です。

迷ったときは、建設業許可の専門家や各都道府県の窓口に相談するのもおすすめです。

建設業許可 | りつりん行政書士事務所|香川県高松市の建設業許可・補助金申請・古物商許可

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